我が国における心不全の患者は100万人規模とも推計され、その数は生活習慣の欧米化や高齢化によって年々増える傾向にあります。重症になると人工心臓や心臓移植しか治療法がない中、いま第3の治療法として脚光を浴びているのが再生医療です。 その先頭を走る大阪大学医学部心臓血管外科の澤芳樹教授は、患者の脚(ふくらはぎ)の筋肉から採取した細胞を培養してシート状にしたものを心臓患部に貼りつけるという治療法を開発し、今年5月から待望の保険診療が始まりました。さらに澤教授は、世界初となるiPS細胞を使った心筋を補充する治療法にも取り組んでいます。1年後の2017年をメドに治験を開始する予定で、2020年頃には心筋シートの販売を目指すそう。 今回は、澤教授に、再生医療の見通しや外科医療を取り巻く環境など最前線のお話を伺いました。
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